2012年11月12日

第4回新株予約権の発行

VTホールディングスから新株予約権の発行に関するお知らせがリリースされました。
 2012年11月12日16時 第三者割当による第4回新株予約権の発行に関するお知らせ
過去の第三者割当増資にはあまり良い印象を持っていないので、また増資!?というのが第一印象ですが、リリースを読み進めてみるとさらによく分からない新株予約権です(^_^;)
ざっとまとめてみると
UBS AG London Branchに対して300万株相当の新株予約権を割当てる
新株予約権発行による資金調達額は720万円(1株当たりにすると2.4円)
発行費用は最大607万円(弁護士費用・価値算定費用など)
行使価格は1,200円固定で、行使価格の変動はなし
 VTホールディングスの株価が1,203円以上にならないと行使するメリットはない
調達できる最大の資金額 約36億円 新株予約権がすべて行使された場合
行使期間は2012年11月28日から2014年11月27日まで
発行価格での買戻し特約付き
UBSが新株予約権行使の意思表示をし、VTホールディングスが許可しないと行使できない
資金調達の目的は、借入金返済及び社債償還原資に充当する予定で、財務内容の改善により銀行借入余力が増加し、M&Aを検討する上で必要な財務基盤が確保されるため、今後M&Aを検討していく上で機動的に意思決定を行う基盤が強化される予定

1,200円というのは現状の株価の倍近いので、こんな行使価格で本当に資金調達できるの?と感じますが、何の勝算もなくこんな発表をしないと思うので、1,200円くらいの企業価値は十分あります!という意思表示という面もありそうです。
それにこういったスキームを詰めるには時間も必要だと思うので、株価がまだ700円台の頃から検討を進めていたのかもしれません。
資金調達の目的が借入金返済になっていますが、ここ3年ほどのVTホールディングスは60億円/年近いフリーキャッシュフローがあるので、借入金返済には困っていません。このあたりも今回の新株予約権の発行を不思議に思う要因です。
急ぎの資金調達の必要性を感じないのになぜこのタイミングで発表するんだろう?
何か至急資金調達が必要な要因があるのだろうか?
それならなぜすぐには資金調達が見込めそうにないスキームなんだろう?

と、考えがまとまりません(^_^;)
株価が1,203円以上になって権利行使が進まないとVTホールディングス、UBS AG London Branch両社にメリットはありません
今期計画のVTホールディングスの1株当たり利益は122円であり、1,200円の株価くらいの価値は十分あるとは思いますが、だからと言ってすぐに1,200円になるとも思えません。

こういったことを考えると、今回の発表の真意はいくつか想定できます。

現状のVTの株価は割安すぎる!1,200円以上の価値はある!という会社側からのメッセージ
確かに私もそれだけの価値はあると思いますが、そんなメッセージにUBSが無償で協力してくれるとも思えません(笑)今回のスキームで儲かると思うからUBSが引き受けたと思うので、こういったメッセージも含まれているとは思いますが、それだけではないのでしょうね。

近々大きな資金が必要となるような可能性があり、並行して資金調達も用意しておく必要がある
今回のスキームを読み解くと、このくらいしか思い付きません。
今年3月に発表した2件のM&Aでは合せても20億円程度の規模であり、手持ちキャッシュで賄える規模でした。大きな資金が必要になるというと大型のM&Aくらいしか考えられないですが、手持ちキャッシュでは心許ないということは、かなりの規模のM&Aということになります。
あくまで妄想ですが、こういった案件でもなければ第三者割当による第4回新株予約権の発行に関するお知らせを出す理由が理解できないんですよねぇ^_^;

今回のスキームを見ると儲かるのは弁護士と法律事務所だけです。
新株予約権の行使が進まないとVTホールディングス、UBS AG London Branch両社にメリットはないので、何かあるんだろうな〜と妄想するくらいしかできません。
このスキーム自体はどちらにも有利でも不利でもないので、行使が進まなくてもデメリットはないですが、意味もなくこんな発表をするとは思えないので、両社とも行使が進むと考えているとみるのが妥当です。

どちらにしろ今回の発表はVTホールディングスにとってポジティブな材料だと思います。
ヤフー掲示板では社長が新株予約権を行使して、資産管理会社の有限会社エスアンドアイに移したことを取り上げて、社長が自社株を売却している!三流社長だ!などという書込みもありましたが、業績ではなく株価でしか評価されないとは社長業も大変だな〜と思っていました。
今回のリリースを読むと、300万株と決めた理由として下記の様な記述があります。

筆頭株主である有限会社エスアンドアイの潜在株式ベースの持分割合が、新株予約権発行後に10%以下になることは避けたいと思っていること

これと併せて考えると、会社側としては夏頃から増資の必要性を考えており、筆頭株主の持ち株比率が下がらない様にするため、ストックオプションを行使して有限会社エスアンドアイの持株比率を高めていたという見方もできます。
このように1つのプレスリリースを読んだだけでは全体像は分からないので、後から振り返って総合的に考えないと、今回の第4回新株予約権の発行に関するお知らせの意義は理解できないのでしょうね。

悪い材料ではないと思うので、果報を寝て待つことにします(笑)

最近発表材料をポジティブにしか捉えられなくなっているんですが、これは認知的不協和の典型的な症状かもしれません。常識的に考えれば8.15%の希薄化になるわけで、基本的に増資は売り材料です。
あまり妄想を膨らませすぎて期待感ばかりが大きくなると、その後の失望も余計に大きくなってしまいます。
冷静に考えることも大切かもしれませんね(笑)


posted by Zai at 19:46| Comment(1) | TrackBack(0) | プレスリリース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

今、卒業論文でディーラーについて調べています。そのなかで、VTホールディングスに興味をもちました。
突然の質問なのですが、
このブログのなかで、「効率的」という言葉がありますが、どういった意味なのでしょうか?
例えば、決算書を見て効率的なのか、それとも販売方法やコスト構造のことを指しているのでしょうか?
協力していただけると幸いです。
お願いします。
Posted by 三宅敏夫 at 2012年11月25日 14:06
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